公開日:2026-05-09
カテゴリー:週間予測
今週(5/4〜5/8)のドル円を一言で表すなら、「登って、落ちて、それでも上がれなかった」。
週の前半で157.915まで駆け上がり、5/6に155.016まで約290pips叩き落とされ、金曜のNFPで予想の約1.9倍の好数字が出ても上がれなかった。10日間ノーポジを維持してきた判断は、結果として正しかった。
今朝5/9 8:00、ドル円は156.678。来週に向けて、今週を振り返り、テクニカルの現在地を確認し、3つのシナリオを整理する。
今週の値動き:山あり谷あり、結局ほぼ元の位置
| 日付 | 主な出来事 | 高値 | 安値 | 終値付近 |
|---|---|---|---|---|
| 5/4(月) | 週明け。157.06下方で始まる。支持化失敗 | 157.0 | 156.5 | 156.8 |
| 5/5(火) | 上昇加速。157.859突破→157.915到達 | 157.915 | 157.3 | 157.7 |
| 5/6(水) | 約290pips大暴落。155.016まで急落 | 157.9 | 155.016 | 156.2 |
| 5/7(木) | 底値圏から反発。H1 GC成立。156.500定着へ | 156.5 | 155.9 | 156.4 |
| 5/8(金) | 157.000手前で膠着→NFP +115Kでも156.422まで急落→156.678で引け | 156.983 | 156.422 | 156.678 |
| 週間サマリー | |
|---|---|
| 週高値 | 157.915(5/5) |
| 週安値 | 155.016(5/6) |
| 週間レンジ | 約290pips |
| 週初値 | 156.820(5/4 8:21) |
| 週終値 | 156.678(5/9 8:00) |
| 週間騰落 | ▼14.2pips(ほぼ横ばい、わずかに円高) |
290pipsのレンジを動き回った結果、週初と週末でほぼ同じ水準に戻った。凄まじいボラティリティだが、方向感は出なかった。
今週の3つのターニングポイント
1. 5/5 157.915——天井タッチ
4/30の暴落(517pips)から1週間かけて積み上げた回復が、157.915で頂点を迎えた。158.000にあと8.5pips。「ここを突破すれば景色が変わる」というところで押し戻された。
結果的に、これが今週の天井になった。
2. 5/6 155.016——二番底どころか安値更新
157.915から155.016まで、たった1日で約290pips。4/30安値の155.544をも下抜ける展開。1週間かけた回復が1日で崩壊した。
月曜朝の記事で「D1のDC差が拡大」「W1のDC差が大幅拡大」と書いた上位足の弱さが、この日ついに表面化した形だ。
3. 5/8 NFP——予想の約1.9倍でも上がれない
NFP(非農業部門雇用者数)は+115K。予想+62Kの約1.9倍。前月も+178K→+185Kに上方修正。本来ならドル買い材料だ。
だがドル円は下がった。 156.825から急落し、D1安値は156.422を記録。H1のGC(ゴールデンクロス)は崩壊しDC転換。Manusの表現を借りれば「買い材料としての消化に失敗」した。
その後156.678まで戻してD1は引けたが、強い数字でも上がれなかった事実は変わらない。
テクニカル現在地:5/9 8:00のMTF全景
昨夜のNFPショックから一夜明けた、5/9 8:00時点のマルチタイムフレーム。
| 時間足 | RSI | MACD | Signal | MACD差 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| M5 | 48.00 | -0.0007 | 0.0051 | -0.0058 | DC |
| M15 | 51.21 | 0.0081 | 0.0063 | +0.0018 | GC |
| H1 | 49.74 | 0.0043 | 0.0099 | -0.0056 | DC(ほぼフラット) |
| H4 | 45.22 | -0.1914 | -0.2877 | +0.0963 | DC内収束 |
| D1 | 40.36 | -0.5308 | -0.1609 | -0.3699 | DC |
昨夜22:00→今朝8:00の変化
| 時間足 | 22:01 MACD差 | 8:00 MACD差 | 変化 |
|---|---|---|---|
| M5 | -0.0135 | -0.0058 | 改善 |
| M15 | -0.0109 | +0.0018 | DC→GC転換 |
| H1 | -0.0424 | -0.0056 | 大幅改善(ほぼフラット) |
| H4 | +0.1062 | +0.0963 | やや縮小 |
| D1 | -0.3722 | -0.3699 | ほぼ変化なし |
昨夜のNFP直後は「ほぼ全時間足が弱気」だった。だが一夜明けて、短期足が急速に回復している。
M15がGCに転換。 RSI 51.21と中立に戻り、NFPショックは吸収された形だ。
H1のDCがほぼフラットに。 MACD差-0.0424から-0.0056へ。あと一歩でGC再転換の位置にいる。昨夜崩壊したH1のGCが、わずか10時間で復元しかけている。ただし、これはNFPショック吸収の初期サインであって、買いシグナルそのものではない。 D1のDC構造(MACD差-0.3699)を覆すほどの材料ではなく、ロング解禁の必要条件にはなり得ても、十分条件ではない。
H4は微減だが依然プラス圏。 MACD差+0.0963。底値圏からのGC方向への収束は続いている。
D1は変わらない。 MACD差-0.3699。今週1週間を通じてほぼ横ばい。日足の弱気構造は修復されていない。
要するに:NFPで崩れた短期足が一夜で回復しつつある一方、日足の弱さは1週間前と何も変わっていない。 上にも下にも決め切れていないが、上方向の信頼度はNFPで傷ついた——これが今のドル円の正確な姿だ。
ファンダメンタルズ確認状況
| 項目 | 状況 | 備考 |
|---|---|---|
| NFP結果 | ✅ 確認済み | +115K(予想+62K)。前月+178K→+185K上方修正 |
| 米10年国債利回り | ❌ 未確認 | NFP後の反応は要確認 |
| DXY(ドル指数) | ❌ 未確認 | ドル安基調が継続しているか要確認 |
| 要人発言 | ❌ 未確認 | FRB高官の発言があった可能性 |
| 主要ニュース | ❌ 未確認 | NFP以外の材料は未把握 |
米金利やDXYのNFP後の反応が確認できていないため、ファンダメンタルズ面の判断には限界がある。テクニカルベースの判断を軸に、来週月曜朝に改めてファンダメンタルズを確認したい。
D1確定足:NFP日の真実
5/8のD1ローソク足が確定した。
| 値 | |
|---|---|
| 始値 | 156.866 |
| 高値 | 156.983 |
| 安値 | 156.422 |
| 終値 | 156.678 |
昨夜22:00の暫定値では安値156.504・終値156.645だったが、確定足では安値が156.422まで深く押し、終値は156.678まで回復している。
形状は下ヒゲ付きの陰線。上ヒゲも長い。高値156.983から安値156.422まで56.1pipsの値幅を動き回り、結局始値より少し下で引けた。方向を決めきれない相場を象徴する足だ。
今週のD1ローソク足
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 形状 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/5 | 157.3付近 | 157.915 | 157.3付近 | 157.7付近 | 陽線(上昇) |
| 5/6 | 157.674 | 157.915 | 155.016 | 156.170 | 巨大陰線(290pips) |
| 5/7 | 156.103 | 156.517 | 155.935 | 156.400 | 小陽線(底値圏で反発) |
| 5/8 | 156.866 | 156.983 | 156.422 | 156.678 | 下ヒゲ陰線(方向未定) |
5/6の巨大陰線が圧倒的に大きく、その後の反発は「戻り」の域を出ていない。ただし5/8は下ヒゲが長い。156.422まで押されても156.678まで戻した——買い方も完全には諦めていない。
今週の売買判断の振り返り:10日間ノーポジは正しかったか
4/30の暴落以降、ポジションを取っていない。今日で10日間のノーポジ。
振り返ると、この間に3回「買いたくなる場面」があった。
| 場面 | 誘惑 | 結果 |
|---|---|---|
| 5/1 157.3台反発 | 二番底確認→ロングしたい | ロンドンで全戻し。エントリーしていたら損切りか含み損 |
| 5/5 157.915到達 | 158.000突破で追随買い | 翌日290pips暴落。致命傷になりえた |
| 5/8 NFP前 156.930 | H1 GC強化、157.000目前 | NFPで急落。GC崩壊 |
3回とも見送りが正解だった。「ノーポジで持ちこたえる」という判断そのものが、今週のトレードだった。
来週の展望:3つのシナリオ
来週の監視ライン
| 価格 | 現値からの距離 | 役割 |
|---|---|---|
| 157.000 | +32pips | 今週越えられなかった壁。ロング回復の最低条件 |
| 156.930〜156.983 | +25〜31pips | 5/8高値帯。157.000手前の失速ゾーン |
| 156.825 | +15pips | NFP前水準。ここを回復できない=下落は否定されない |
| 156.770〜156.825 | +9〜15pips | 戻り売り判定帯。この帯で止まれば戻り売り優勢 |
| 156.678 | 0pips | 5/9 8:00現在値 |
| 156.620〜156.650 | -3〜-6pips | NFP後の戻り中間帯。現値付近の攻防ライン |
| 156.422 | -26pips | D1確定安値。割れれば下落加速 |
| 156.300 | -38pips | 下抜け後の途中支持 |
| 156.000 | -68pips | 心理的節目 |
| 155.544 | -113pips | 4/30暴落安値 |
| 155.016 | -166pips | 5/6安値。今週の最安値 |
シナリオ1:157.000回復→レンジ上抜け(確率:低〜中)
- 156.825を回復し、156.930〜156.983の失速ゾーンを突破して157.000を上抜ける
- H1がGCに再転換し、H4の改善が加速
- 157.300〜157.500方向へ
条件:米金利上昇+DXY反発、またはリスクオン主導の円売り。テクニカル的にはH1のMACD差がプラスに転じること。
NFPで「買い材料消化失敗」した直後であり、最も起きにくいシナリオではある。ただし、今朝のH1がほぼフラット(-0.0056)でGC再転換間際にいることは軽視できない。 月曜朝〜東京時間でH1がGCに再転換する展開は普通にあり得る。もっとも、H1のGC再転換だけで157.000を明確に上抜けるとは限らない。
シナリオ2:156.400〜157.000のレンジ継続(確率:中〜高)
- 156.422がサポートとして機能し、157.000が壁として機能するレンジ
- 方向感が出ず、来週の経済指標待ちの展開
- H4の改善がじわじわ進む一方、D1は弱気のまま
現時点の第一候補。 今週と同じ展開の繰り返し。今朝のM15 GC・H1ほぼフラットの状態は、短期的には方向感なしの膠着を示唆している。D1が弱いまま短期足が修復しつつあるという構図は、レンジ相場の典型だ。
シナリオ3:156.422割れ→155円方向へ再加速(確率:中)
- D1確定安値156.422を月曜朝に下回って始まる、またはロンドン時間で割れる
- 156.000を目指す展開。割れた場合は155.544(4/30安値)再テスト
- H4の改善も崩壊し、全時間足DC化
条件:週末にリスクオフ材料が出る、またはアジア時間の薄商いで投機的な円買い。D1がDC継続中であることを考えると下方向のリスクは残るが、156.422の下ヒゲと短期足の回復が即時の下落を抑えている面もある。
Manusレビュー(5/9):「上にも下にも決め切れないが、上方向の信頼度はNFPで傷ついた」
Manus(AIリサーチャー)のレビューが届いた。
Manusの総合評価:
記事の大枠は妥当。「290pips動いたのに週初比ほぼ横ばい」「強いNFPでも上がれなかった」「ただし短期足は一夜で修復しかけている」の3点が、今週のドル円を説明する軸として機能している。ただし、現在のドラフトは少し下方向に寄せすぎと指摘。H1がGC再転換間際(MACD差-0.0056)にあることを踏まえれば、上抜けシナリオを完全な低確率扱いにしない方がよい。より正確には、「上にも下にも決め切れていないが、上方向の信頼度はNFPで傷ついた」という整理が最も妥当。
確率配分の推奨:レンジ継続45〜50%、下抜け30〜35%、上抜け15〜20%。
H1の評価:GC再転換間際は買いシグナルではなく、NFPショック吸収の初期サイン。ロング解禁の必要条件にはなり得るが、D1のDC構造を覆す材料ではない。同時に、売り急ぎも危険。
監視ライン追加提案:156.930〜156.983(5/8高値帯・157.000手前の失速ゾーン)と156.620〜156.650(NFP後の戻り中間帯)を追加推奨。
来週の売買方針
| 方向 | 判断 | 条件 |
|---|---|---|
| ロング | 見送り | 157.000を実体で回復+H1再GC成立まで手を出さない。H1のGC再転換はロング解禁の必要条件だが十分条件ではない |
| ショート | 戻り売り候補(次点) | 156.770〜156.983で戻りが止まるならショート候補。または156.422を明確に割れば下方向再加速。ただし安値圏での突っ込み売りは避ける |
| ノーポジ | ✅ 継続(第一候補) | テクニカルでもファンダでも方向が出ていない。焦って入る相場ではない |
まとめ:290pips動いて、14pips。方向が出るまで待つ
今週の教訓は明確だ。
大きく動いたからといって、方向が出たわけではない。
157.915まで登っても天井で跳ね返され、155.016まで落ちても底で拾われ、NFPで予想の約1.9倍が出ても下がった。290pipsのレンジを激しく往復して、結局14pipsの円高。
テクニカルも同じだ。D1は1週間前とほぼ変わらない(MACD差-0.37台で横ばい)。H1は昨夜崩壊したGCが、今朝にはもう復元しかけている。上にも下にも決め切れない。
唯一の手がかりは「強いNFPでも上がれなかった」という事実だ。買い材料を消化できない相場は、基本的に弱い。ただし156.422の下ヒゲが示すように、売り切れもしない。
方向が出ていない相場に無理に方向を付けようとすると、壊れる。 10日間ノーポジを維持してきた僕がそれを言う。
来週も、相場が教えてくれるのを待つ。
156.422が割れるか。157.000を回復するか。 この2つのどちらかが起きるまでは、ポジションを取る理由は薄い。もしH1がGC再転換しても、それはロングの必要条件にすぎず、十分条件ではない。157.000を実体で回復して初めて、買いを再検討する段階に入る。
fxsurfing16.com — 人間(テクニカル)× AI(ファンダ)の協働分析
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