昨夜、ドル円は上に抜けた。
先週からずっと「ここを超えたら」と待っていた159.45の壁を、米ISM製造業景況指数の好結果が一気に押し上げた。23時の発表直後、相場は159.7台まで駆け上がった。
僕がこの一週間ずっと待っていた「159.45を実体で上抜け定着」——その条件が、ついに整った。
なのに今朝、僕はまだ一枚も買っていない。なぜか。
1. いまの数値——159.66、地合いは「上」
火曜の朝9:30、USDJPYは159.659(Bid)。昨夜のISM急騰のあと、159.6台に落ち着いてもみ合っている。
| 時間足 | RSI | MACD | Signal | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| M5 | 62.27 | 0.0080 | 0.0040 | 🟢GC |
| M15 | 55.68 | 0.0057 | 0.0017 | 🟢GC |
| H1 | 59.15 | 0.0709 | 0.0810 | 🔴DC |
| H4 | 69.06 | 0.1055 | 0.0671 | 🟢GC(⚠️過熱) |
| D1 | 59.55 | 0.3176 | 0.1954 | 🟢GC(強い) |
D1とH4が上を向き、MACDも拡大している。中長期のバイアスは、しっかり「上」だ。先週まで頭が重かったH4も、ISMを境に上昇基調に乗った。
地合いだけ見れば、買いたくなる。
2. 昨夜、ISMで何が起きたか
昨夜23時、米ISM製造業景況指数(5月)が発表された。
結果は54.0。事前予想の53.2を上回り、前回の52.7からも改善。2022年5月以来の高水準だった。製造業の景況感が強い=米景気は底堅い、という数字だ。これを受けてドルが買われ、ドル円は159.45を抜けて159.7台まで上昇した。
先週の僕は、この159.45を「実体で超えたら押し目買い(シナリオB)」と決めていた。その意味では——シナリオ通りに、条件は達成された。
3. 条件は整った。でも「今」は買い場じゃない
ここが、今朝の判断の核心だ。
「上抜け定着」という条件は満たした。けれど、それは「今すぐ買え」という意味ではない。理由は3つある。
① もう高値圏に戻ってきた後だ。 ISMの急騰(159.7台)から、相場はすでに159.6台へ少し落ちて、そこでもみ合っている。僕が待っているのは「上抜け定着→押し目で乗る」こと。でも今は、その押し目(159.45〜159.55)がまだ来ていない。買うには中途半端な位置だ。
② H4が過熱している。 上の表をもう一度見てほしい。H4のRSIは69.06。70の「買われすぎ」ラインが目前だ。4時間足ベースで、すでにかなり上げてきた後。ここから追いかけて買うと、息継ぎ(押し目)に巻き込まれやすい。
③ 介入警戒の160円が近い。 現値から約35pips上に、160円という大きな壁がある。財務省が公表した4/28〜5/27の介入額は11兆円超(1か月として過去最大)。160円に近づくほど、当局の追加介入警戒が上値を抑える。そもそも上値の余地が狭い。
4. 期待値で考える
感情で「待つ」と言っているわけではない。数字でも、今は買い場ではない。
| シナリオ | 内容 | 評価 |
|---|---|---|
| A:今すぐ買い(159.66) | 高値圏に戻った後・H4過熱で追っかけ | 期待値マイナス(息継ぎに巻き込まれるリスク) |
| B:159.45〜159.55への押し目+反発で買い | 押し目を確認してから乗る | 期待値プラス・本命⭐ |
| C:159.29への深い押し目 | 下位足のサポートを待つ | 様子見でも可 |
| D:様子見(ノーポジ) | 今は動かない | 現時点で最適 |
Aは、先週まさに僕が負けたパターンの再現になりかねない。上はすぐ160円の壁、短期は過熱。期待値が最大なのは、やっぱりB——いったん159.45〜159.55まで押して、そこで反発(下ヒゲ・陽線)を確認してから、手動で乗る。
5. そして、今週は「指標ウィーク」だ
もう一つ、今日動かない大きな理由がある。今週は米雇用関連の指標が連日続く。
| 日付 | 時刻 | 指標 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 今日6/2(火) | 23:00 | 米JOLTS求人件数(4月) | ★★ |
| 6/3(水) | 23:00 | 米ADP雇用+ISM非製造業 | ★★★ |
| 6/5(金) | 21:30 | 米雇用統計(NFP・5月) | ★★★★★ |
今日の夜23時には、JOLTS(雇用動態調査)がある。これは企業の求人件数を測る指標で、求人が多ければ「労働市場が強い→ドル買い」に振れやすい。ただし4月分とやや古いデータなので、インパクトは限定的だ。
本命は、金曜のNFP(雇用統計)。非農業部門雇用者数・失業率・平均時給の3点が出る、今週最大のイベントだ。ここでドル円の方向が大きく決まる可能性が高い。
つまり、今週の相場は、金曜のNFPまで方向が定まりにくい。指標ごとに上下へ振らされやすい。そんな中で日中に飛び乗れば、夜の指標一発で振り落とされかねない。
6. 今朝の答え——「条件クリア」を、買い場と混同しない
だから今朝の選択も、様子見(ノーポジ)だ。
正直、ちょっと悔しい。昨夜ISMで上がるのを見て、「ほら上がった。先週からずっと待ってたんだから、買っておけば」と、一瞬思った。条件は確かに整ったのだから、なおさらだ。
でも——「上抜け条件をクリアした」ことと、「今が買い場だ」ということは、違う。
条件が整っても、買うのは「いい場所」が来たときだけ。今は高値圏に戻った後で、H4は過熱、上は介入警戒の160円、しかも金曜にはNFPが控えている。役者は揃ったが、幕が上がるのはまだ先、という感じだ。
だから今日は、159.45〜159.55への押し目を待つ。それが来なければ、金曜のNFPを待つ。「待つ」も、立派な戦略だ。
| 時刻 | アクション |
|---|---|
| 9:30 | 朝定点。ノーポジ確認・D(様子見)判断 |
| 13:00 | 昼定点。159.45〜159.55の押し目があるか再評価 |
| 20:00 | 夜定点。欧州時間の動きを確認 |
| 23:00 | 米JOLTS求人件数(4月)発表。雇用ウィークの前哨戦 |
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