公開日:2026-05-12
カテゴリー:学び
明日、今週最大のイベントが来る
5月13日(火)21時30分。米消費者物価指数(CPI)が発表される。
僕らは今日、157.500でTPを達成してノーポジになった。その後、157.690付近からフラッシュクラッシュ的な急落が起き、H4安値156.727まで約100pips落ちた。20時現在は157.548まで反発しているが、H1のMACDはGCからDCに転換。方向感が定まらない。
この不安定さの正体は、明日のCPIを前にした市場の緊張だ。
この記事では、CPIとは何か、なぜドル円を動かすのか、そして今回のCPIで何に注目すべきかを書く。
CPIとは何か
CPI(Consumer Price Index、消費者物価指数)は、モノやサービスの価格がどれだけ上がったか(下がったか)を測る指標だ。
- 発表元:米労働統計局(BLS:Bureau of Labor Statistics)
- 発表日:毎月中旬
- 発表時刻:21時30分(日本時間)
- 内容:前月の消費者物価の変動
スーパーで買う食品、ガソリン代、家賃、医療費──こうした日常の支出がどれだけ値上がりしたかを数字にしたものだ。ひとことで言えば、インフレの体温計。
CPIの「2つの顔」
CPIには2種類ある。
| 指標 | 見ているもの |
|---|---|
| CPI(総合) | すべての品目を含む。ヘッドライン |
| コアCPI | 食品とエネルギーを除く。FRBが重視する |
食品とエネルギーは天候や地政学リスクで乱高下しやすい。そのノイズを除いたコアCPIが、FRBが金融政策を判断する際に最も注目する数字だ。
市場はこの2つを同時に見る。ヘッドラインが高くても、コアが安定していれば「一時的」と判断される。逆にコアが上がっていれば、FRBは無視できない。
なぜCPIがドル円を動かすのか
答えは一直線だ。CPI → インフレ判断 → FRBの金利政策 → ドルの強弱 → ドル円の方向。
インフレが高い場合
物価が上がっている → FRBは利下げを急がない(むしろ引き締め維持)→ 金利は高止まり → ドル高(ドル円は上昇)
インフレが低い場合
物価が落ち着いている → FRBは利下げに動く余地がある → 金利は下がる → ドル安(ドル円は下落)
NFPとの違い
先日書いたNFP(米国雇用統計)は雇用から景気を見る。CPIは物価からインフレを見る。どちらもFRBの金利判断に直結するが、CPIの方がインフレに直接的で、利下げ・利上げの議論をより強く動かす傾向がある。
FXトレーダーの間では「NFPは雇用、CPIは金利」と言われることがある。CPIが予想を大きく上回ると、100pips以上の急変動が起きることも珍しくない。
今回のCPI(5月13日)の注目ポイント
市場予想
| 指標 | 前回(3月分) | 今回予想(4月分) |
|---|---|---|
| CPI 前年比(YoY) | +3.3% | +3.7% |
| CPI 前月比(MoM) | +0.9% | +0.6% |
| コアCPI 前年比 | +2.6% | +2.7% |
| コアCPI 前月比 | +0.2% | +0.3% |
ヘッドラインCPIは前回の+3.3%から+3.7%へ上昇が予想されている。 エネルギー価格(地政学リスク由来)が引き続き押し上げ要因だ。
一方、コアCPIは+2.6%→+2.7%と小幅な上昇にとどまる見通し。「インフレは食品・エネルギー主導で、基調的には落ち着いている」というのが市場のメインシナリオだ。
シナリオ別の反応
| シナリオ | ドル円への影響 |
|---|---|
| CPI予想上振れ(特にコア) | 利下げ後退 → ドル高(円安)。157.700〜158.000方向 |
| CPI予想通り | 織り込み済み → 反応限定的。レンジ継続 |
| CPI予想下振れ | 利下げ期待 → ドル安(円高)。157.000割れの可能性 |
最も市場が動くのは「コアCPIのサプライズ」だ。ヘッドラインはエネルギー価格で振れやすいが、コアが予想を大きく外せば、FRBの政策見通しが一変する。
もうひとつの注目:パウエル議長の退任
5月15日、パウエルFRB議長が退任する。後任のケビン・ウォーシュ氏は利下げに前向きとされている。
つまり今回のCPIは、パウエル体制最後のインフレ指標だ。結果次第では、新議長のもとでの金融政策の方向性を市場が先取りして動く可能性がある。
僕らの対処法
1. ノーポジでCPIを迎える
今日のTP到達(+$0.24)で利確を済ませ、ノーポジだ。CPI前夜にポジションを持たない。4月30日の517pips暴落をノーポジで回避した教訓を、今日も守る。
2. 発表直後は見送る
CPIもNFPと同じだ。発表直後の1〜5分はスプレッドが拡大し、上下に振れるフェイクが起きやすい。飛び乗らない。
3. 方向が定まってからエントリーを検討する
CPI通過後、30分〜1時間で方向が見えてくる。今の僕らのテクニカル状況は「H4のGCだけが生きている」状態。CPIの結果でH4 GCが強化されるのか、それとも崩壊するのか。それを見極めてから判断する。
4. コアCPIに注目する
ヘッドラインよりコアCPI。コアCPIが予想の+2.7%を上回れば利下げ後退でドル高方向。下回れば利下げ期待でドル安方向。コアの数字を見てから動く。
まとめ
- CPI(消費者物価指数)はインフレの体温計。FRBの金利政策に直結し、ドル円を大きく動かす
- 今回の予想はヘッドラインCPI +3.7%(前回+3.3%から上昇)。コアCPIは+2.7%
- コアCPIのサプライズが最大の注目点。ヘッドラインよりコアの数字を見る
- パウエル議長退任(5/15)前の最後のCPI。新体制の方向性を先取りした動きもあり得る
- 僕らはノーポジでCPIを迎える。発表直後は飛び乗らず、方向が定まってから動く
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