公開日:2026-05-16
カテゴリー:週間予測
今週(5/12〜5/16)のドル円を一言で表すなら、「ドル全面高が生んだ一方通行」。
火曜朝の157.179から、土曜未明の158.783へ。週間約160pipsの上昇。先週の「290pips動いて結局14pips」とは対照的に、今週は明確な方向を持って動いた。
4/30以降の暴落(160.713→5/6安値155.016)から数えれば、約370pips戻したことになる。そして今、チャート上に大きな壁が見えてきた——D1(日足)の200日移動平均線、158.8〜159.0。V字回復の次のステージは、この壁を越えられるかどうかにかかっている。
今週の値動き:火曜から土曜まで、ほぼ一方通行
| 日付 | 主な出来事 | 高値 | 安値 | 終値付近 |
|---|---|---|---|---|
| 5/12(火) | TP 157.500到達で利確(+$0.24)。フラッシュクラッシュ(156.727)→反発 | 157.7 | 156.727 | 157.6 |
| 5/13(水) | CPI通過。反応限定的(+4pips)。157.8台到達。ノーポジ維持 | 157.9 | 157.6 | 157.8 |
| 5/14(木) | 転換点。イラン戦争起因の米インフレ加速観測→ドル全面高。一気に158円台へ | 158.4 | 157.2 | 158.2 |
| 5/15(金) | 米小売売上高は予想通り→影響限定。米主要株価指数が史上最高値更新 | 158.4 | 158.0 | 158.4 |
| 5/16(土) | 158.783到達。D1の200MA(158.8〜159.0)に接触 | 158.783 | 158.6 | 158.759 |
| 週間サマリー | |
|---|---|
| 週高値 | 158.783(5/16) |
| 週安値 | 156.727(5/12 フラッシュクラッシュ) |
| 週間レンジ | 約206pips |
| 週初値 | 157.179(5/12 8:00) |
| 週終値 | 158.759(5/16 5:17) |
| 週間騰落 | +158pips(円安方向) |
先週の「290pips動いてほぼ横ばい」から一転、今週は明確に円安方向へ動いた。火曜のフラッシュクラッシュ(156.727)を底に、そこからほぼ直線的に200pips以上上昇している。
今週の3つのターニングポイント
1. 5/12 TP 157.500到達——4/30暴落後、初めてTPで利確した日
4/30の暴落以降、初めて利益目標(TP)に到達して+$0.24の利確。前日5/11のSLヒット(+$0.28)に続く連続プラス。金額は小さいが、意味は大きい。
同日、H4がGC転換した(暴落以来12日ぶり)。M5〜H4の4足GC成立は、中期トレンドの転換シグナルだった。その後のフラッシュクラッシュ(156.727まで急落)でも、H4のGCは崩壊しなかった。ここに「底の強さ」が現れていた。
2. 5/13 CPI通過——最大リスク消化
CPI(消費者物価指数)は今週最大のイベントだった。結果は+4pips程度の限定的な反応。
重要なのは「悪材料にならなかった」こと。先週のNFPでは「強い数字でも上がれなかった」が、今週のCPIでは「通過して安定」。買い材料を消化する力が戻ってきた。
3. 5/14 ドル全面高——方向が決まった日
木曜日、相場が動いた。イラン戦争に起因する米インフレ加速観測で、ドルが全面高。EURUSD、GBPUSD、AUDUSDが軒並みドル買い方向に動き、USDJPYは157円前半から158円台へ一気に駆け上がった。
先週までの「円売り戻し主導」の反発とは質が違う。ドル自体が買われる局面に変わった。この変化が今週の上昇を一方通行にした。
テクニカル現在地:5/16 05:17のMTF全景
| 時間足 | RSI | MACD | Signal | MACD差 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| M5 | 63.86 | 0.0161 | 0.0106 | +0.0055 | GC |
| M15 | 63.17 | 0.0384 | 0.0371 | +0.0013 | GC |
| H1 | 66.10 | 0.1390 | 0.1343 | +0.0047 | GC |
| H4 | 83.61 | 0.3594 | 0.2984 | +0.0610 | GC |
| D1 | 54.07 | -0.2477 | -0.4159 | +0.1682 | DC(MACD>Signal) |
先週の週末(5/9 8:00)→今週の週末(5/16 5:17)の変化
| 時間足 | 5/9 MACD差 | 5/16 MACD差 | 5/9 状態 | 5/16 状態 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| M5 | -0.0058 | +0.0055 | DC | GC | 転換 |
| M15 | +0.0018 | +0.0013 | GC | GC | 維持 |
| H1 | -0.0056 | +0.0047 | DC | GC | 転換 |
| H4 | +0.0963 | +0.0610 | DC内収束 | GC | GC成立 |
| D1 | -0.3699 | +0.1682 | DC | DC(MACD>Signal) | 大幅改善 |
1週間でテクニカル構造が劇的に改善した。
先週末は「上にも下にも決め切れない」だった。今週末はM5〜H4の4足GC成立。D1もMACDがSignalを上回り、GC転換に接近している。
ただし、H4のRSI 83.61は極端な買われすぎ。過去の同水準では、ほぼ例外なく短期的な調整が入っている。
D1チャートが示す最重要ライン:200日移動平均線
今週のD1チャートで最も目を引くのは、200日移動平均線(赤線)が158.8〜159.0に位置していること。
現在値158.759は、まさにこのラインに到達したところだ。
4/30の暴落で160.713から5/6に155.016まで落ちたドル円は、そこから10日かけてV字回復してきた。そしてこのV字回復が最初にぶつかる「本格的な壁」が、200MAだ。
200MAの意味:
- 中長期トレンドの分水嶺として世界中のトレーダーが注目する
- 上にいれば中長期は上昇トレンド、下にいれば下降トレンドとみなされる
- ここを明確に上抜ければ「暴落前の世界に戻った」というシグナルになる
逆に言えば、ここで跳ね返されれば、4/30暴落は「まだ終わっていない」というメッセージになる。
ファンダメンタルズ:ドル全面高の背景
| 項目 | 状況 | 備考 |
|---|---|---|
| 米インフレ | イラン戦争起因で加速。Fed利上げ観測再浮上 | 今週の上昇の主因 |
| 米CPI(5/13) | ✅ 通過済み。反応限定的 | 消化済み |
| 米小売売上高(5/15) | ✅ 市場予想通り。影響限定的 | 消化済み |
| 米株 | 主要指数が史上最高値更新 | リスクオン→円売り |
| 日本介入 | 動きなし。ベッセント米財務長官が日本の介入姿勢を支持 | 円売り安心感 |
| 来週の注目 | 要確認 | 月曜朝に経済カレンダーを確認 |
ドル全面高の構図:
今週の特徴は「円売り」だけではなく、「ドル買い」が主導した点。
5/16 5:17時点の他通貨:
- EURUSD:1.16202(ユーロ売り・ドル買い)
- GBPUSD:1.33147(ポンド売り・ドル買い)
- AUDUSD:0.71459(豪ドル売り・ドル買い)
- CHFJPY:201.772(ほぼ横ばい——CHFJPYが動かないのに、USDJPYが上がっている=ドル買い主導の証拠)
今週の売買判断の振り返り:正しく読んで、乗れなかった
先週の振り返りで「10日間ノーポジは正しかったか」と書いた。今週は「方向を読めていたのに、乗れなかった」。
事実の整理
5/13 23:06の時点で、以下が揃っていた:
- ✅ H4 GC成立(4/30暴落以来12日ぶり)
- ✅ CPI通過(最大リスク消化)
- ✅ 価格157.8台(TP 157.500を超えた水準を維持)
- ✅ 判断メモに「エントリーチャンス接近中」と記録
にもかかわらず、5/13 23:06を最後に2.5日間、観測が途絶えた。5/14の朝にH1がGC再転換し、157.883を超えた可能性が高い——つまりエントリー条件が成立していた。
何が問題だったか
- H1のGC/DC往復に気を取られすぎた。H4 GCという中期シグナルが出ているのに、H1の細かい動きを「待ち条件」にしてしまった
- 「観測できない期間に備えて指値を置く」という発想がなかった。5/13 23:06の時点で「157.900にBuy Limit、SL 157.200、TP 158.500」を提案していれば、自動的にエントリーできていた
- 2.5日間の観測空白。これは仕組みの問題であり、今後の改善対象
機会損失
| エントリー可能推定地点 | 157.900付近(5/14朝) |
| 現在値 | 158.759 |
| 逸した利幅 | 約86pips |
金額は0.10ロットで約$0.54。大きくはない。だが「正しい分析→乗れなかった」は「間違った分析→損失」より悔しい。
教訓
今後は以下のルールを徹底する:
- 「チャンス接近中」と判断したら、同時に指値案を出す
- H4の方向をバイアスの基準にする。H1以下はタイミング調整にのみ使う
- 1日1回はチャートを送る。送れない日は事前に連絡→指値で対応
来週の展望:200MAとH4過熱の攻防
来週の監視ライン
| 価格 | 現値からの距離 | 役割 |
|---|---|---|
| 160.0 | +124pips | 4/30暴落前水準。介入リスク高 |
| 159.0 | +24pips | D1 200MA。最重要抵抗。世界中が見ている |
| 158.759 | 0pips | 現在値。H4 RSI 83.61 |
| 158.3 | -46pips | 押し目候補①。5/14〜15の滞留帯 |
| 158.0 | -76pips | 押し目候補②。心理的節目 |
| 157.5 | -126pips | ロングSL候補。割れたら上昇構造崩壊 |
| 157.0 | -176pips | H4 GC崩壊圏 |
シナリオ1:押し目→200MAブレイク→159円台へ(確率:中)
- H4 RSI 83.61の過熱が冷却され、158.0〜158.3付近へ一旦押す
- 押し目でH1/M15のGCが維持されれば、絶好のロングポイント
- 200MAを上抜ければ、159.5〜160.0方向へ
- D1のMACD GC転換が加速し、中期トレンドが正式に上昇に転換
条件:押し目が158.0で止まる+H4 GC維持+D1 200MAを実体で上抜け。
来週の第一候補。 今週のドル全面高のモメンタムが続く場合、押し目は浅くなる。158.3付近で拾えれば理想的。ただし200MAブレイクは簡単ではなく、1回目は跳ね返されるパターンも多い。
シナリオ2:200MAで跳ね返される→158円台レンジ(確率:中)
- 200MAが強い抵抗として機能し、159.0に届かない
- 158.0〜158.8のレンジに収束
- D1の200MA突破には複数回のアタックが必要で、来週は「最初のアタック→跳ね返り」のフェーズ
200MAが1回のアタックで抜けることは少ない。 特にH4 RSI 83.61の過熱状態では、まず冷却→再チャレンジという展開が自然。方向感は上だが、週内にブレイクするかは五分五分。
シナリオ3:H4 GC崩壊→157円方向へ反落(確率:低)
- 200MAで強く跳ね返され、158.0も割れる
- H4のGCが崩壊し、上昇トレンドの前提が崩れる
- 157.0方向への調整
条件:介入実施、または米金利の急反落、あるいはリスクオフ材料の出現。現状では最も起きにくいシナリオだが、介入リスクは159円台で確実に高まる。財務省の牽制発言が出れば、一時的に大きく下げる可能性はある。
来週の売買方針
| 方向 | 判断 | 条件 |
|---|---|---|
| ロング | ✅ 押し目を待って検討(第一候補) | 158.0〜158.3への押し目+H4 RSI 70台まで冷却+M15/H1 GC維持。TP: 159.0(200MA)/ SL: 157.5 |
| ショート | 見送り | H4 GC崩壊+200MA跳ね返し確認+158.0割れ。現状H4 GCが強力のためショートは時期尚早 |
| ノーポジ | 月曜朝は一旦ノーポジで確認 | 週末を挟むため、月曜朝の状態を見てから判断。H4 RSI過熱が残っている場合は冷却を待つ |
先週との違い: 先週は「ロング見送り、ノーポジ継続が第一候補」だった。今週はH4 GC+4足GC+D1のMACD改善を受けて、「押し目ロングが第一候補」に昇格。ノーポジは判断待ちの一時的なものであり、方向性は明確にロング。
ただし、月曜朝に即エントリーはしない。H4 RSI 83.61の冷却を確認してから。
まとめ:V字回復は「壁」に到達した。次は「壁を越えられるか」
4/30の暴落から、2週間半かけてここまで来た。
155.016という底(5/6)から、158.783まで。約370pips。テクニカルはM5〜H4の4足GC。D1のMACDもGC転換に接近中。先週の「方向が出ていない」から、今週は「方向が出た」。
そして目の前に、D1の200日移動平均線がある。
200MAを越えれば、4/30の暴落は「調整」だったことになる。 越えなければ、まだ「下降トレンド内の戻り」の域を出ない。
僕らがすべきことは2つだ。
1つ目は、H4 RSI 83.61の過熱が冷えるのを待つ。今すぐ飛び乗るのは、先週の教訓以前に「テクニカルが許さない」。
2つ目は、押し目が来たら乗る。今週の反省——「方向を読めていたのに乗れなかった」——を繰り返さない。158.0〜158.3の押し目でH4 GCが維持されていれば、それがエントリーポイントだ。
そして、もし月曜の朝にチャートを送れない場合は、日曜の夜に指値を置く。 チャンスを逃さないための仕組みを、今週から始める。
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